最近、「AI Overview」や「AIO」という言葉を目にする機会が増えました。ただ、「どちらも同じ意味なの?」「SEOとは何が違うの?」と、はっきり説明できる方はまだ多くありません。
SEOは長く知られてきた言葉ですが、AIOはまだ新しい考え方です。この記事では、AI OverviewとAIOの意味と違いを、できるだけやさしく整理します。あわせて、AIOをチェックするときに使う「質問文」の作り方を、サイトの種類別のサンプルで紹介します。
「検索する」から「AIに聞く」へ、探し方が変わってきています
これまで、お店や会社を探すときは、検索窓にキーワードを入れて、出てきたサイトを見比べるのが一般的でした。
いまは、ChatGPTやGeminiのようなAIに、話しかけるように質問して、答えを受け取る人が増えています。たとえば、次のような聞き方です。
- 「渋谷区で、個人事業主の相談に乗ってくれる税理士はいますか」
- 「従業員10人ほどの会社に向いている経費精算のサービスを教えてください」
AIは、こうした質問に対して、いくつかの会社やサービスの名前を挙げながら答えてくれます。そこで、「自社は、その答えの中で紹介されているだろうか」を確認することが、これからのウェブ運営で大切になってきました。これがAIOの考え方の出発点です。
Google検索の一番上に出る「AI による概要」とは
AI Overview(エーアイ・オーバービュー)は、Googleが検索結果のいちばん上に表示するAIの要約のことです。日本語の画面では「AI による概要」と表示されます。
調べたいことを検索すると、複数のサイトの内容をAIがまとめた文章が最初に出てきて、その横や下に、参考にしたサイトへのリンクが並びます。
ただし、すべての検索で表示されるわけではありません。検索の内容によって、出る場合と出ない場合があります。
AIOとは、AIの回答に自社が紹介されること
AIO(エーアイオー)には、世の中で決まった唯一の定義があるわけではありません。この記事とAIOCROSSでは、次の意味で使っています。
AIの回答の中で、自社や自社の商品・サービスが紹介される(取り上げられる)こと。また、それを確認して、増やしていく取り組み。
ここでいう「AI」には、Googleの AI Overview のほかに、ChatGPT、Claude、Gemini なども含まれます。なお、同じような意味で「LLMO」や「GEO」という言葉が使われることもあります。
AI OverviewとAIOの違い
名前が似ているので混ざりやすいのですが、この2つは別のものです。ひとことで言うと、AI Overviewは、AIOで確認する場所のひとつです。
| AI Overview | AIO | |
|---|---|---|
| 何のこと | Google検索の上部に出る、AIの要約 | AIの回答に、自社が紹介されるかを見て、対策すること |
| 対象の範囲 | Googleの検索結果だけ | Google AI Overview、ChatGPT、Claude、Gemini など |
| 表示のされ方 | 検索結果の一番上に、要約とリンクが出る | AIごとに、文章の中で名前が挙がる・リンクが付くなど、さまざま |

SEOとAIOでは、入力するものが違います
SEOとAIOは、どちらも「見つけてもらうための取り組み」ですが、お客様の行動が少し違います。
| SEO | AIO | |
|---|---|---|
| お客様の行動 | 検索して、出てきたサイトを見比べる | AIに質問して、返ってきた答えを読む |
| 見るもの | 検索結果の順位 | AIの回答の中で紹介されているか |
| 入力するもの | キーワード(言葉の組み合わせ) | 質問文(話しかける文章)と、言及キーワード(自社名など) |
この「入力するものの違い」が、次に説明する質問文の作り方につながります。
AIOCROSSでできること、できないこと
AIOCROSSは、SEOの順位とAIでの言及状況を「測る」ためのツールです。誤解のないように、できることとできないことを整理します。
できること
- キーワードごとに、SEOの検索順位を記録する
- 質問文ごとに、AIの回答で自社が紹介されているかを記録する
- 取ったデータを、ChatGPTなど外部のAIに渡して、分析や改善案をもらえる形で出力する
できないこと
- 自社サイトの中身を、アプリが直接見に行くこと
- サイトを自動で直すこと
- アプリの中で、AIに自由に相談すること
「私のページを見て、書くべき情報を教えて」といった相談は、AIOCROSSの質問欄ではなく、ChatGPTやClaudeなどのAIに直接お願いする内容です。データをもとにした改善の進め方は、AIOCROSSのデータを成果につなげる改善サイクル運用法で紹介しています。AIとの連携方法はAIとの連携ページもご覧ください。
「キーワード」と「質問文」の作り方
まず、2つの違いを見てみましょう。
- キーワード:言葉の組み合わせ。例)「渋谷区 税理士 個人事業主」
- 質問文:お客様が実際に口にしそうな文章。例)「渋谷区で、個人事業主の相談に乗ってくれる税理士はいますか」
AIOで使う質問文は、次の4ステップで作ると、うまくいきやすくなります。
- お客様の立場で考える:自社の宣伝ではなく、お客様が困っていることを出発点にします。
- 地域や条件を入れる:「渋谷区で」「従業員10人ほどの会社に」など、絞り込む言葉を加えます。
- 話しかける形にする:「〜はありますか」「おすすめを教えてください」のように、文章で終えます。
- 自社の名前は質問文に入れない:名前を入れると、紹介されて当然の質問になってしまい、実際の状況が分かりません。自社名は、次に説明する「言及キーワード」に入れます。
避けたい質問文の例
- 「私のページを見て、書くべき情報を教えて」(AIはあなたのページを見てくれません)
- 「自社サイトの弱いところは?」(お客様の質問ではなく、自分への相談になっています)
- 「株式会社〇〇はおすすめですか」(自社名が入っていて、紹介されるかを測れません)
「言及キーワード」には、AIの回答に載ってほしい自社名を入れます
AIOCROSSでは、質問文のほかに「言及キーワード」も入力します。質問文がお客様の言葉なら、言及キーワードは「その答えの中に、この名前が出てきてほしい」という、自社の名前です。
- 質問文:お客様がAIに聞きそうな質問(自社名は入れない)
- 言及キーワード:AIの回答に載ってほしい、自社名やサービス名
AIの回答の中に言及キーワードの名前が出てくるかどうかで、「紹介されているか」を確認する、という仕組みです。
| 質問文(お客様の言葉) | 言及キーワード(自社の名前) |
|---|---|
| 渋谷区で、個人事業主の相談に乗ってくれる税理士はいますか | 〇〇税理士事務所 |
| 好みに合わせて選べるコーヒー豆の定期便で、おすすめはありますか | 〇〇コーヒーロースターズ |
| 従業員10人ほどの会社に向いている経費精算のサービスを教えてください | 〇〇経費クラウド |
質問文には自社名を入れず、自社名は言及キーワードに入れる。この使い分けを覚えておけば、迷いません。
サイトの種類別・キーワードと質問文のサンプル
どんなサイトを持っているかによって、キーワードと質問文は変わります。代表的な3パターンを紹介しますので、ご自身の業種に置き換えて考えてみてください。
パターン1:地域の事務所(例:税理士)
| SEOのキーワード | AIOの質問文 |
|---|---|
| 渋谷区 税理士 個人事業主 | 渋谷区で、個人事業主の相談に乗ってくれる税理士はいますか |
| 渋谷区 税理士 確定申告 | 渋谷区で確定申告を頼める、おすすめの税理士事務所を教えてください |
パターン2:ネットショップ(例:コーヒー豆の通販)
| SEOのキーワード | AIOの質問文 |
|---|---|
| コーヒー豆 定期便 通販 | 好みに合わせて選べるコーヒー豆の定期便で、おすすめはありますか |
| コーヒー豆 ギフト | プレゼントに向いているコーヒー豆のギフトを、通販で買えるところを教えてください |
パターン3:企業向けサービス(例:経費精算システム)
| SEOのキーワード | AIOの質問文 |
|---|---|
| 経費精算 システム 中小企業 | 従業員10人ほどの会社に向いている経費精算のサービスを教えてください |
| 経費精算 クラウド 比較 | 紙の領収書の処理を減らせる、クラウドの経費精算システムでおすすめはありますか |
言い回しを変えて、2〜3個から試してみましょう
最初から、たくさんの質問文を用意する必要はありません。まずは2〜3個で十分です。同じ内容でも、言い回しを少し変えると、AIの答えが変わることがあります。
また、AIの回答は、同じ質問でも毎回まったく同じになるとは限りません。1回の結果で一喜一憂せず、続けて記録して、変化を見ていくのがおすすめです。
まずは、質問文を1つ書いてみましょう
お客様が、AIにどんな質問をしそうか。まずは1つ、書き出してみてください。上のサンプルを、ご自身の業種に置き換えるだけでも構いません。
AIOCROSSは、クレジットカード不要の10日間無料トライアルで試せます。質問文と言及キーワードを登録して、自社がAIの回答で紹介されているかを確認してみてください。
データが取れたら、次はそれを改善につなげる番です。外部のAIにデータを渡して提案をもらう流れは、AIOCROSSのデータを成果につなげる改善サイクル運用法で解説しています。

